QOL貢献製品
QOLに貢献する製品群を提供し、人とくらしを支える豊かな社会の実現に貢献しています。
QOL貢献製品の概況
新中期経営計画2025では、カーボンニュートラルおよびQOLの向上に貢献する製品を高付加価値製品群と位置付け、2021~2025年度で積極的な設備投資を計画しています。このうち、QOL貢献製品は、「医療」「食糧問題」「豊かなくらし」の3つの貢献領域のいずれかで貢献する製品と位置付け、目標を掲げています。
売上高構成比

QOL向上に貢献する製品への設備投資

新たな成長軌道 ─次世代の事業創出へ
新中期経営計画2025では、2030年の新たな成長軌道となる次世代の事業創出に注力し、早期事業化を目指しています。
機能性タンパク質『シルクエラスチン』
生体組織の修復・再生環境を作る再生医療材料『シルクエラスチン』
シルクエラスチンは、当社が技術導入し、遺伝子組み換え技術により作製された機能性タンパク質です。ヒトの細胞との親和性が極めて高いため、生体組織の修復・再生促進のための細胞増殖の環境を作りだします。慢性創傷(糖尿病性足潰瘍など)や急性創傷(熱傷など)の分野では、従来治療では治癒が期待できなかった傷に対して良好な結果が得られ、半月板再生および創傷治癒の臨床試験結果がScientific Reports誌に掲載されました。2025年5月に新規創傷治癒材として薬事承認を取得し、2025年度中の販売開始を予定しています。

期待される市場と将来性
シルクエラスチンの市場規模は、半月板再生材用途においては世界で1,000億円以上が見込まれ、このうち米国が半数以上を占めています。今後はまず創傷治癒材用途で実績を作り、将来的には市場規模の大きい半月板再生材用途で2030年を目標に当社事業の柱に育成していく計画です。
匂いセンサー『FlavoTone(フラボトーン)』

FlavoTone Type-A

FlavoTone Type-G
2023年11月、当社は人の嗅覚と同様のメカニズムで、複雑で多様な匂いを可視化できる匂いセンサーFlavoToneの販売を開始しました。特定の匂いだけでなく複雑な匂いが可視化できるため、匂いによる品質管理、特性比較、モニタリングといったソリューションを提供します。また得られたデータを機械学習に解析させるアプリケーションも搭載し、品質管理、特性比較、モニタリングなど、ニーズや用途に合わせたアウトプットが可能です。フラボトーン事業推進部には、さまざまな方面からの共同研究の引き合いがあり、2030年には営業利益10億円を目指しています。
ペプチド農業
当社では、植物に不足している性質を発現させ、従来の品種改良と比較して安心で簡単に植物のさまざまな機能を引き出すことができる農業用ペプチド※の活用を研究開発しています。気候変動などによって植物が受けるストレスに対する耐性を付与することで、農作物の収量や品質の向上が期待できることから、新たなペプチド農業の確立と農業支援を本格展開していきます。
- ペプチドは植物の代謝や組織間の情報伝達の要として働き、生育環境への適応や耐性向上などに欠かせない重要な成分
