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環境に配慮して高い洗浄力を発揮する

三洋化成ニュース No.512号

環境に配慮して高い洗浄力を発揮する

2019.01.10

私たちは衛生的で快適な暮らしを求める一方で、環境への負荷はできるだけ減らしたいと思っています。今回は、毎日の洗濯に用いられる衣料用洗剤を通して、このようなニーズに応える界面活性剤の新しい機能を紹介します。

 

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洗浄力プラス環境への配慮

私たちは、国際社会の一員として持続可能な社会の実現に貢献することが求められています。国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)は、その実現に向けて貧困から気候変動まで地球全体の問題解決を目指す世界共通の17のゴールを示したものです。課題が大きすぎて遠い話に感じられますが、「洗剤」などの身近なところから貢献することができます。例えば、原料となる植物や石油の有効利用、洗剤の使用による衛生環境の改善、使用後の排水抑制といった視点で考えると、保健(3)、水・衛生(6)、持続可能な消費と生産(12)、 海洋資源(14)、 陸上資源(15)などそれぞれの目標につながっているのです。

洗剤の主な役割は、汚れをしっかり落として気持ちよい生活を送れるようにすることと、衛生管理を良くして病気にかからないようにすることです。こうした本来の洗浄機能に加えて、より環境への配慮が求められるようになっています。

 

衣料用洗剤の70%が液体洗剤

衣類に付着する汚れは、大別すると皮脂や汗などの人体からの汚れや、泥、ほこり、シミなどの外部からの汚れに分かれます。日本では、生活環境の変化により昔に比べて泥汚れなどは少なくなり、皮脂汚れが主流になってきました。
洗濯機を用いる洗濯は、水流と洗剤の洗浄力だけで繊維の奥の汚れまで落とす必要があります。従って洗濯用洗剤は、シャンプーや手洗い用などの人の身体に用いる洗剤に比べ、洗浄力が重視されます。一方、働く女性の増加とともに、家事時間の短縮につながるすすぎ時間短縮のニーズが高まり、節水タイプのドラム式洗濯機の普及など洗濯環境も変化しています。そのため、溶け残りが発生する可能性がある粉末洗剤に対して、溶け残りがなく使い勝手も良い液体洗剤の販売比率が大幅に伸びており、現在、日本では液体洗剤が70%強を占め、今後も80%近くまで伸びると予想されています。

 

相反する洗浄性と生分解性の両立

衣料用洗剤には、高い洗浄力とすすぎ性が必要です。また、使用量も多いため、なるべく環境への負荷が低い生分解性に優れた洗剤が求められるようになっています。洗濯排水は下水処理場で処理された後、河川や海に排出されます。排水に含まれる洗剤の生分解性が高いほど処理場で効率的に分解され、一部が残留した場合でも環境中で分解され無害化することができるためです。

衣料用洗剤の主な成分(洗剤基剤)は界面活性剤です。なかでも、液体洗剤はシャツの襟アカなどの皮脂汚れに対して洗浄力が高く、少量で優れた洗浄力を示す非イオン界面活性剤の割合が高くなっています。しかし、洗浄力を上げると生分解性が低くなってしまうという相反関係があり、これらを両立できる界面活性剤が求められていました。

 

 

界面活性剤の分子は疎水部分と親水部分で構成されています。三洋化成は、これまで培ってきた界面活性剤の設計技術に加えて、コンピュータシミュレーションによる分子の動き予測や、大型放射光施設SPring-8を使ったミセル(界面活性剤の会合体)の構造解析などにより分子構造を最適化し、洗浄性と生分解性を両立できる界面活性剤を見出しました。

 

生分解性に優れる三洋化成の界面活性剤

三洋化成は洗浄力と生分解性に優れる衣料用洗剤基剤『エマルミンCS-100W』を提供しています。少量でも十分な洗浄力を示すため、基剤の配合量や洗剤の使用量を低減し、環境への排出量を抑制することで、さらに環境への負荷を低減することが期待されています。
環境に配慮した洗剤基剤のニーズはますます拡大していくと考えられます。これらのニーズに対応した高性能な洗剤基剤の開発を今後も進めることで、グローバル市場に対して三洋化成の価値を提供し、さまざまな製品でSDGsの達成に貢献していきます。

 

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