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バイオマスをプラスチックに均一に分散させる機能-活用促進で石油由来資源の使用量低減に貢献-

三洋化成ニュース No.527号

バイオマスをプラスチックに均一に分散させる機能-活用促進で石油由来資源の使用量低減に貢献-

2021.07.28

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主に石油資源を原料とするプラスチックに再生可能な有機資源バイオマスを配合し、石油原料の使用を削減する動きが進んでいます。両者をうまく混ぜ合わせることで、性能を向上させながら環境にも貢献する分散剤を紹介します。

幅広い分野で用途が拡大するプラスチック

軽くて加工しやすい特長を持つプラスチックは、近年、強度や耐熱性、導電性などさまざまな性能が進化し、軽量化を目的とした金属代替をはじめ幅広い分野での活用が進んでいます。こうしたプラスチックの性能を高めているのが「フィラー」と呼ばれる物質です。例えば自動車のボディなどに用いられている繊維強化プラスチック(FRP)では、ガラス繊維や炭素繊維などをフィラーとしてプラスチックに混ぜ込むことで強度を高めています。

しかし、石油由来の資源が原料であるプラスチックは、その活用が進む一方で、環境への影響も懸念されてきました。そこで近年、バイオマスをフィラーとして配合し、石油由来原料の使用量を削減する動きが進んでいます。

 

バイオマスの有効活用で機能と環境性を両立

バイオマスは、広義には動物や植物などの生物由来の有機資源を指しますが、プラスチックのフィラーとなるバイオマスは、一般的には木粉や米ぬかなど、植物由来のものが使われます。

バイオマスフィラーの活用は石油資源の使用量削減という点も大きなメリットですが、バイオマスフィラーにはプラスチックの強度を向上させる特性もあるため、木粉を混ぜたプラスチックなどは、住宅建材やウッドデッキの材料として広く使用されてきました。また、米ぬかなどは、ごみ袋や食品の保存袋に利用されており、副産物の有効活用という点でも環境に貢献しています。

ただ、バイオマスには親水性、プラスチックには疎水性と相反する性質があるため、バイオマスがプラスチックスに均一に混ざり合う「分散性」が悪く、単純に両者を混ぜ合わせるだけでは十分な性能を得ることができません。また成形性も悪く加工しづらい材料になってしまうため、歩留まりが悪くなったり、製品の見た目も良くなかったりするという課題もあります。

このプラスチックとバイオマスをつなぎ、分散性を改善する役割を果たすのが、分散剤である『ユーメックスシリーズ』です。

 

 

バイオマスとプラスチックの間を取り持つ製品

『ユーメックス』は三洋化成が開発し1990年に上市した分散剤です。幅広いフィラーに対応できる製品として誕生し、バイオマスを複合したプラスチックにも早期から活用されてきました。

『ユーメックス』の成分は、酸変性ポリオレフィンという物質です。『ユーメックス』は、親水性を持つバイオマスと相性の良い酸の部分と、疎水性のプラスチックと相性の良いポリオレフィンの部分の両方を持っているため、原材料に数パーセント添加するだけで、バイオマスフィラーをプラスチックに均一に分散させるとともに、界面の接着性を高め強度や成形性を向上させることができます。

この性能を可能にしているのが、自社技術の「熱分解法」です。ポリオレフィンに熱を加えて低分子化させてから酸を化学結合させることで、結合させる酸の量を増やし、かつプラスチックが溶けた際の粘度を低くすることが可能になります。これにより、バイオマスフィラーの分散性が向上し、バイオマスと樹脂の接着性も上がるという仕組みです。

三洋化成はこの「熱分解法」によって、分子や酸の量を調整できるノウハウを確立しており、バイオマスのほかにも、ガラス繊維など、さまざまなフィラーに適した製品をラインアップしています。

 

技術を活かして、より環境に優しい製品開発を

『ユーメックス』は発売以来その品質が高く評価されており、バイオマス複合プラスチックの分野では欠かせない製品となっています。大学や研究機関の実験でも、10年以上前から標準的な分散剤として使用されており、ここ数年は環境意識の高まりを受け、環境性の高い製品としてもさらに注目を集めています。

また、三洋化成でも、近年新たに登場してきたバイオマスへの対応はもちろん、『ユーメックス』の全く新しい活用法や、『ユーメックス』の技術を応用した環境に貢献できる製品の研究が進んでいます。

プラスチックの性能向上だけでなく、石油資源の使用量削減など環境保全にもつながる『ユーメックス』の技術は、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」や目標12「つくる責任 つかう責任」に貢献する技術です。環境保全やSDGsが叫ばれる以前から、未来を見据えて開発に取り組んできた三洋化成の『ユーメックス』。これまで培ってきた技術をさらに進化させながら、今後も環境に優しい社会づくりに貢献していきます。

 

 

 

 

 

当社製品をお取り扱いいただく際は、当社営業までお問い合わせください。また必ず「安全データシート」(SDS)を事前にお読みください。
使用される用途における適性および安全性は、使用者の責任においてご判断ください。

 

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