PEG-400
概要
分子量の異なるポリエチレングリコールの混合物。PEGの種類は、通常、数平均分子量で規定されています。
特長
・皮膚になじみやすく、水溶性で、適度な保水性を有し、不揮発性で、油のようにべたつかない。
・刺激性や毒性が低く、安全性が高い。
・PEGおよび水溶液は優れた潤滑性を示す。
<製薬関連>
・製薬工業用は、日本薬局方『マクロゴール』で別扱い。
<化粧品・トイレタリー関連>
・ヘアケア・スキンケア全般で使用される基剤。急性毒性が低く、眼や皮膚に対する刺激も低い水溶性基剤。
・保湿剤・湿潤剤・溶剤。貧溶媒としても使用でき、基剤としても有効。化粧水の水溶性基剤として使用できる。
・生分解性を持つ。
・液体洗浄剤の可溶化剤として使用される。
・保湿剤 - 歯磨や洗顔フォーム、ヘアケア製品およびウエットティ ッシュの保湿剤として使用できる。
<繊維関連>
・ 穴あけ剤 - 中空糸やポーラス繊維の穴あけ剤として使用できる。
<製紙関連>
・ 柔軟剤 - 紙の柔軟剤として適しており、低揮発性のため柔軟効果が持続する。 特に、PVAフィルムやセロハンの柔軟剤として好適。
・カール防止剤 - 紙に含浸すると、保湿効果によって紙のカールが防止できる。
<樹脂関連>
・樹脂加工浴 - 水溶性なので、塩ビパイプの曲げ加工などの加熱浴に使用すると、洗浄が容易。
・樹脂改質剤 - PEG両末端の水酸基を利用して、ポリエステル樹脂やアルキッド樹脂およびポリウレタン樹脂を変性すると、可とう性や親水性などを付与することができる。
<農業関連>
・製剤用助剤 - 粉剤やフロアブル製剤およびドライフロアブル製剤の、流動性の調整やケーキング防止に有効。
<化成品関連>
・界面活性剤原料 - PEG両末端の水酸基を利用して各種の界面活性剤が合成できる。中でも、高級脂肪酸とのエステル化物は、乳化剤や分散剤および洗浄剤などとして使用される代表的な界面活性剤。
・化成品原料 - PEG両末端の水酸基を変性し(アルキルエーテル化やアミノ化、カルボキシル化、グリシジルエーテル化およびエステル化など)、化成品の原料として使用される。
<その他>
・熱媒体 - 沸点や比熱が高く熱安定性が良好ですので、熱媒体として使用することができる。また、水に溶けやすいので洗浄が容易。
・増感剤 - 飽和脂肪族多価アルコールなどと混合して増感剤として用いることができ、感光フィルムの感度やコントラストなどが向上する。
・蓄熱剤 - 融解熱が大きいので、蓄熱剤として好適。
機能(はたらき)
- ・湿潤・浸透機能
- ・分散機能
- ・潤滑・平滑機能
- ・可塑・柔軟化機能
- ・粘度調整機能
- ・接着・粘着機能
- ・帯電防止機能
- ・保冷・蓄熱機能
- ・合成・重合・成形原料機能
- ・可溶化機能
- ・その他機能
用途
- ・化粧品(ヘアケア・スキンケア関連)
- ・洗剤・ソフナー
- ・医薬・医薬外品・医療用具
- ・農業・園芸
- ・繊維
- ・製紙
- ・合成樹脂・ゴム
- ・その他
組成
ポリオール系 ポリエチレングリコール
物性等
主成分 | ポリエチレングリコール | 外観 | 無色液状 (20±5℃) |
pH(測定濃度) | 5.5 (5質量%水希釈液) |
荷姿 | 缶入 20kg ドラム入 230kg |
消防法 | 第四類第四石油類 | 凝固点(℃) | 7 |
水酸基価 | 281(無水酢酸/ピリジン法) | 数平均分子量 | 400(水酸基価から求めた値) | 公定書 | 医薬部外品原料規格2006 |
公定書成分名 | ポリエチレングリコール 400 | 化粧品成分表示名称 | PEG-8 | 医薬部外品成分表示名称 | ポリエチレングリコール400 |
INCI名 | PEG-8 | INCI名(中文名称) | 聚乙二醇-8 | 中国輸出可否 | 可 |
IECIC2015登録 | ○ |
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