三洋化成グループは、一般社団法人日本化学工業協会レスポンシブル・ケア委員会(旧日本レスポンシブル・ケア協議会)に加盟し、レスポンシブル・ケア(RC)に関する経営方針を定めるとともに、RC活動を行っています。重点取組項目と目標値を掲げた環境活動計画を定め、環境経営に取り組んでいます。

方針
社是に「企業存立の基礎である安全の徹底と環境との調和を図る」こと、企業倫理憲章に「環境保護と防災の取り組みは、企業の存続と活動に必須の要件として、主体的に行動する」ことを定めています。
また、CSRガイドラインにも、環境負荷低減、「持続可能な地球環境の実現」と「利便性・快適性の向上」との両立、サステナブル購買を掲げ、具体的な活動を推進しています。
マネジメント組織
※横スクロール出来ます。

レスポンシブル・ケア本部のレスポンシブル・ケア部が「環境保全」活動全般を統括し、「化学品・製品安全」活動と「物流安全」の一部を製品等審査部が担当しています。
RC活動推進ツールのひとつとして利用してきた環境マネジメントシステム(ISO14001)については、ISOの要求事項に沿ったマネジメントシステムを構築し、継続的に改善を進めていく体制が社内で確立できたことから、 自社で十分にシステムを運用できると判断し2020年度に国内事業所の認証を返上しました。海外事業所では継続しています。また、品質マネジメントシステム(ISO9001)は国内外ともに認証を継続します(株式会社サン・ペトロケミカルはISO9001認証についても2020年度に返上)。
また、国内外工場および研究所を対象に、年1回現地を訪問して行う(海外は一部リモート)安全衛生環境保安監査も継続します。
環境活動計画
環境活動計画21-24
※横スクロール出来ます。
テーマ | 2019年度(基準年)実績 | 2024年度実績 | 2024年度(最終年度)目標 | 評価 | |
---|---|---|---|---|---|
数値目標 | 基準年比削減率目標 | ||||
① 温室効果ガス排出量(万トン) | 31.1 国内:17.6 海外:13.5 |
15.9 国内:10.6 海外:5.3 |
29.5以下 | 5%以上 | 達成 |
② エネルギー使用量(万kℓ) | 14.7 国内:9.0 海外:5.7 |
7.7 国内:5.7 海外:2.0 |
14.0以下 | 5%以上 | 達成 |
③ 水使用量(千㎥) | 4,354 | 3,732 | 4,136以下 | 5%以上 | 達成 |
④ 廃棄物発生量(万トン) | 4.8 | 3.2 | 3.6以下 | - | 達成 |
⑤ VOC※1排出量(トン) | 112 国内:89 海外:22 |
43 国内:39 海外:4 |
90以下 国内:80以下 海外:10以下 |
19.7%以上 | 達成 |
- VOC:PRTR法対象物質と一般社団法人日本化学工業協会の定めるPRTR物質の大気排出量
対象範囲:三洋化成全事業所、国内関係会社全社、生産拠点を持つ海外関係会社※2
- 2 サンヨーケミカル・テキサス・インダストリーズLLC、サンヨーカセイ(タイランド)リミテッド、三大雅精細化学品(南通)有限公司
環境活動計画 25-29
環境活動計画21-24は終了し、すべての項目で、2024年度の目標を達成しました。
2025年度~2029年度を対象とした環境活動計画25-29のテーマと目標値を設定しました。
エネルギー目標はエネルギー消費のさらなる効率化推進のため、総量から原単位に変更しました。
※横スクロール出来ます。
テーマ | 2024年度(基準年)実績 | 2025年目標値 | 2029年目標値 | 備考 |
---|---|---|---|---|
① エネルギー消費原単位の改善 | ― | 1%減 | 5%減 | 生産量当たりのエネルギー消費量 |
② CO2排出量の削減(万トン) | 15.9(10.7)※2 国内:10.6 海外:5.3 |
11.2以下 | 10.7以下 | 生産量の計画を踏まえ設定 |
③ 用水使用量の削減(千㎥) | 3,730(3,480)※2 国内:3,290 海外:440 |
3,430以下 | 3,290以下 | 年率1%減 |
④ 廃棄物発生量の削減(万トン) | 3.2(3.1)※2 | 3.1以下 | 2.9以下 | - |
⑤ VOC※1排出量(トン) | 43 国内:39 海外:4 |
43以下 | 43以下 | 2024年度の実績以下 |
- VOC:PRTR法対象物質と一般社団法人日本化学工業協会の定めるPRTR物質の大気排出量
- ( )内の数値は、2024年に撤退した高吸水性樹脂事業を除く2024年度の実績値
環境負荷の全体像
2024年度のマテリアルフロー
( )内は対前年度比率
※横スクロール出来ます。

下記注意書きのないものは国内外連結値
- 三洋化成全事業所+SDPグローバル(株)+サンノプコ(株)の国内輸送の合計値
- 三洋化成全事業所+国内全関係会社の合計値
- 三洋化成全事業所+国内全関係会社+サンヨーカセイ(タイランド)リミテッド+三大雅精細化学品(南通)有限公司の合計値
環境経営指標
環境会計(期間:2024年4月1日~2025年3月31日)
- 三洋化成全事業所+国内全関係会社+サンヨーケミカル・テキサス・インダストリーズLLC+サンヨーカセイ(タイランド)リミテッド+三大雅精細化学品(南通)有限公司の合計値。ただし、サンヨーカセイ(タイランド)リミテッドは決算と同じ2024年1月1日~2024年12月31日を期間としています。
環境保全のための投資額および費用額
【事業活動に
応じた分類】
(単位:百万円)
分類 | 投資額※1 | 費用額※2 | |
---|---|---|---|
事業 エリア内 コスト |
①公害防止コスト | 235 | 841 |
②地球環境保全コスト | 65 | 549 | |
③資源循環コスト | 0.4 | 1,202 | |
上・下流コスト | 0 | 35 | |
管理活動コスト | 0 | 346 | |
研究開発コスト | 0 | 2,331 | |
社会活動コスト | 0 | 191 | |
環境損傷コスト | 0 | 0.2 | |
合 計 | 301 | 5,495 |
- 投資額は当該期間の検収ベースでの金額
- 費用額には減価償却を含む
【環境保全対策
分野に応じた分類】
(単位:百万円)
分類 | 投資額 | 費用額 |
---|---|---|
① 地球温暖化対策 | 65 | 546 |
② オゾン層保護対策 | 0 | 4 |
③ 大気環境保全 | 153 | 393 |
④ 騒音・振動対策 | 0 | 65 |
⑤ 水環境・土壌環境・地盤環境保全 | 82 | 399 |
⑥ 廃棄物・リサイクル対策 | 0.4 | 1,204 |
⑦ 化学物質対策 | 0 | 222 |
⑧ 自然環境保全 | 0 | 12 |
⑨ その他 | 1.1 | 318 |
合 計 | 301 | 3,163 |
- 研究開発にかかる費用は分類していない
【環境保全対策に伴う経済効果(貨幣単位)】
(単位:百万円)
※横スクロール出来ます。
効果の内容 | 金額 | 主な実施アイテム | |
---|---|---|---|
省エネルギーによる効果 | 105 | 廃熱利用、コジェネなどによる買電・買蒸気節減 | |
省資源による効果 | 廃棄物削減効果 | 78 | プロセス改善による使用削減、発生抑制 |
原材料使用量低減(収率向上)による効果 | 52 | 製品収率アップ、プロセス薬剤の削減 | |
リサイクルにより得られる収入 | 63 | 廃溶剤、使用済容器等の売却益 | |
合 計 | 296 |
- 投資を伴わない対策(処方改善など)による効果を含む
環境および安全・防災投資
環境保全と安全確保のため、環境対策投資のほか、産業事故防止や地震対策、3K改善など安全・防災面への投資も継続して行っています。
2024年度は環境投資が3.01億円、安全・防災投資が6.36億円でした。
環境および安全・防災投資

2024年度の環境および安全・防災投資の内訳

環境関連のコンプライアンス
国内事業所において、2024年度は公害クレーム、環境関連の法令違反・行政指導および訴訟はありませんでした。