三洋化成は、1996年にレスポンシブル・ケア(RC)に関する経営方針を定めるとともに、日本レスポンシブル・ケア協議会(現 一般社団法人日本化学工業協会RC委員会)に加盟し、RC活動を開始しました。2000年度からは重点取組項目と目標値を掲げた環境活動計画を開始。2004年度からは国内関係会社に、2007年度からは海外関係会社に対象範囲を拡大し、グループとしての環境経営に取り組んでいます。

方針

社是に「企業存立の基礎である安全の徹底と環境との調和を図る」こと、企業倫理憲章に「環境保護と防災の取り組みは、企業の存続と活動に必須の要件として、主体的に行動する」ことを定めています。
また、CSRガイドラインにも、ガイドライン3に環境負荷低減を、ガイドライン4に製品開発における環境や生活向上への貢献を、ガイドライン5にサステナブル購買を掲げ、具体的な活動を推進します。

マネジメント組織

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マネジメント組織図

2023年1月にレスポンシブル・ケア本部を改組しました。省エネ・温暖化対策に特化していた省エネルギー推進部に、それまで環境保安統括部が担当していた省エネ・温暖化対策以外の環境保全活動全般を統合し、RCの5つの活動のうち、「環境保全」活動全般を統括する部署として一本化しました。
「化学品・製品安全」活動と「物流安全」の一部は、引き続き製品等審査部が担当します。「労働安全衛生」と「保安防災」については、レスポンシブル・ケア本部の組織から切り離し社長直轄部署として新設された全社安全推進部に移管しました。
RC活動推進ツールのひとつとして利用してきた環境マネジメントシステム(ISO14001)は、自社で十分システムを運用できると判断し2020年度に国内事業所の認証を返上しました。海外事業所では継続します。また、品質マネジメントシステム(ISO9001)は国内外ともに認証を継続します。
また、国内工場および研究所を対象に、年1回現地を訪問して行うRC(安全衛生環境保安)監査も継続します。

RC(レスポンシブル・ケア)活動とは

レスポンシブル・ケア

「レスポンシブル・ケア」とは、化学物質を製造し、または取り扱う事業者が自己責任の原則に基づき、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄に至る全過程において環境・健康・安全を確保、すなわち環境保全、労働安全衛生、保安防災、化学品・製品安全、物流安全の5つの活動を推進し、情報開示を進め、社会との対話を行う自主活動です。

環境活動計画21-24(期間:2021年度~2024年度)

当初、環境活動計画21-24の活動テーマとしてGHG排出量削減と省エネルギーを掲げていましたが、カーボンニュートラルに向けた活動をより強力に推進するため、この2テーマを2022年度からCSR推進管理委員会に移管しました。節水、廃棄物発生抑制、VOC削減のテーマは本活動計画で継続します。

対象範囲:三洋化成全事業所、国内関係会社全社、生産拠点を持つ海外関係会社

  • サンヨーケミカル・テキサス・インダストリーズLLC、サンヨーカセイ(タイランド)リミテッド、三洋化成精細化学品(南通)有限公司、三大雅精細化学品(南通)有限公司、SDPグローバル(マレーシア)SDN.BHD.

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テーマ 2019年度(基準年)
実績
2024年度(最終年度)目標 備考
数値目標 基準年比削減率目標
節水 4,354 4,136以下 5%以上 年率1%以上削減
用水使用量(千㎥)
廃棄物発生抑制 5.9 3.6以下 39%以上
廃棄物発生量(万トン)
VOC削減 112
国内:89
海外:22
90以下
国内:80以下
海外:10以下
19.7%以上
VOC排出量(トン)
  • VOC:改正法および旧法のPRTR法対象物質と一般社団法人日本化学工業協会の定めるPRTR物質の大気排出量

環境負荷の全体像(2022年度のマテリアルフロー)

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環境負荷の全体像

下記注意書きのないものは国内外連結値

  1. 三洋化成全事業所+国内全関係会社の合計値
  2. 三洋化成全事業所+SDPグローバル(株)+サンノプコ(株)の合計値
  3. 三洋化成全事業所+国内全関係会社+サンヨーカセイ(タイランド)リミテッド+三洋精細化学品(南通)有限公司+三大雅精細化学品(南通)有限公司+SDPグローバル(マレーシア)SDN.BHD.の合計値

環境経営指標

環境会計(期間:2022年4月1日~2023年3月31日)

  • 三洋化成全事業所+国内全関係会社+サンヨーケミカル・テキサス・インダストリーズLLC+サンヨーカセイ(タイランド)リミテッド+三洋精細化学品(南通)有限公司+三大雅精細化学品(南通)有限公司+SDPグローバル(マレーシア)SDN.BHD.の合計値。ただし、サンヨーカセイ(タイランド)リミテッドは決算と同じ2022年1月1日~2022年12月31日を期間としています。

環境保全のための投資額および費用額

【事業活動に
応じた分類】

(単位:百万円)

分類 投資額※1 費用額※2
事業
エリア内
コスト
①公害防止コスト 297 875
②地球環境保全コスト 27 663
③資源循環コスト 1 1,898
上・下流コスト 0 33
管理活動コスト 3 505
研究開発コスト 0 730
社会活動コスト 0 138
環境損傷コスト 0 4
合 計 327 4,846
  1. 投資額は当該期間の検収ベースでの金額。
  2. 費用額には減価償却を含む。

【環境保全対策
分野に応じた分類】

(単位:百万円)

分類 投資額 費用額
① 地球温暖化対策 34 642
② オゾン層保護対策 0 2
③ 大気環境保全 224 408
④ 騒音・振動対策 0 74
⑤ 水環境・土壌環境・地盤環境保全 62 456
⑥ 廃棄物・リサイクル対策 1 1,906
⑦ 化学物質対策 0 259
⑧ 自然環境保全 1 16
⑨ その他 5 354
合 計 327 4,116
  • 研究開発にかかる費用は分類していない。

【環境保全対策に伴う経済効果(貨幣単位)】

(単位:百万円)

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効果の内容 金額 主な実施アイテム
省エネルギーによる効果 20  廃熱利用、コジェネなどによる買電・買蒸気節減
省資源による効果 廃棄物削減効果 7  プロセス改善による使用削減、発生抑制
原材料使用量低減(収率向上)による効果 82  製品収率アップ、プロセス薬剤の削減
リサイクルにより得られる収入 70  廃溶剤、使用済容器等の売却益
合  計 179
  • 投資を伴わない対策(処方改善など)による効果を含む。

環境および安全・防災投資

環境保全と安全確保のため、環境対策投資のほか、産業事故防止や地震対策、3K改善など安全・防災面への投資も継続して行っています。
2022年度は環境投資が3.3億円、安全・防災投資が6.1億円でした。

環境及び安全・防災投資
2022年度の環境及び安全・防災投資の内訳

環境効率指標 JEPIX

2005年に実施したエチレンオキシドの排ガス対策、2012年度に実施したプロピレンオキシドの排ガス対策により大気排出量を削減し、環境効率が大きく改善しました。2020年度以降、環境効率が改善傾向にあります。

環境効率(JEPIX))(国内事業所)

JEPIXサイト(http://www.jepix.org)に掲載されているJEPIX簡易算出シートVer.2.0を使用して算出。

  • Japan Environmental Policy Priorities Index(環境政策優先度指数日本版)
    GHGや有害大気汚染物質などの負荷値にそれぞれの影響度を示す重み付け係数を乗じて、最終的に環境影響ポイント(EIP:Environment Impact Point)と呼ばれる単一指標として数値化し、環境パフォーマンスを評価する。
    環境効率はEIPを付加価値で割ったもので、総合環境負荷量は小さいほど、環境効率は大きいほどよいことを示す。