三洋化成は化学品メーカーとして、お客さまに安心して使っていただける製品を提供することが使命です。そのためには製品設計段階で安全性を確保する設計を行い、確かな品質管理のもと製造することで品質を保証して市場に供することが必要です。
方針
CSRガイドライン6項(製品の安全性と品質への信頼性)に次のことを掲げています。
「製品の開発、製造、使用、廃棄に至るライフサイクル全体で、安全性が適切に確保されるよう、外部への正確な製品情報の提供を行います。また製品の品質への信頼性向上のため、自社内での厳重な品質管理を行います。」
品質保証、品質管理、製造物責任(PL)関係組織と役割
生産本部で生産された製品は、同本部内の検査課で試験検査を行い、品質判定はレスポンシブル・ケア本部に属し各工場に駐在する品質保証部(課)が実施することで独立性をもたせてガバナンス強化を図っています。また品質保証部(課)は各工場でのクレームや不適合品の発生を最小限に抑えるための品質管理を主導する役割を担っています。
レスポンシブル・ケア本部の製品等審査部は、製造物責任(PL)に関する専門部署で、製造物の国内外法規制への適合性審査、ラベルや安全データシート(SDS)審査、化学物質自主管理、顧客対応などを担います。PL関連事案が発生した場合は、必要に応じ、製品等審査部がPL審議会またはPL対策会議を招集して対処します。
2022年度、PL関連の事案の発生はありませんでした。
組織
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安全・安心な製品の提供
お客さまとのコミュニケーションを通じて性能面・品質面・環境面のニーズを把握し、これにマッチする製品紹介や新製品開発を行うとともに、製品に関する適切な技術・安全情報を提供します。
新規に販売する製品は、お客さまでの用途を把握し、お客さまのグリーン調達や紛争鉱物不使用などの要求事項に適合することを確認した上で販売を開始するシステムにしています。また、製品設計段階でお客さまのニーズに適合する化学物質を選択することを定めています。
確かな品質管理
当社では約3,000種類のパフォーマンス・ケミカルス(機能化学品)を生産し、市場に提供しています。
国内外の工場でISO9001を認証取得しており、当社品質管理体制と相乗させた品質管理システムを構築し、運用しています。クレームや不適合の発生時には品質保証部(課)が工場関係者と協力して原因究明を行い、抜本的な再発防止策を立案し、グループ各工場に情報共有し対策の水平展開を図っています。
輸出管理 : 輸出管理委員会、輸出ストップシステム
化学製品を輸出する場合、日本の輸出貿易管理令のほか、相手国の法令や国際条約などにより制限を受ける場合があります。これらを遵守するため、受発注システムの中に「輸出ストップシステム」を組み込んでいます。
受注を入力する際に「輸出許可マスタ」に登録のない製品は拒否されるシステムです。本システムのもととなる製品の化学組成と各国登録状況、法令・条約の規制の有無などは、製品等審査部が審査しデータベース化しています。また、輸出管理委員会では、各国法令に対する当社グループの対応を検討・審議しています。
製品の安全設計と安全性情報の提供
製品設計段階で、当社の化学物質管理規定で定める禁止物質、顧客のグリーン調達で規定される禁止・制限・削減物質を排除して組成設計を行っています。設計した組成物について国内外法規制への適合性、安全性データシート(SDS)やラベルの審査を経て製品化しています。
設計管理についてはこちら
サンプルを提出する際はSDSも同時に提出し、お客さまが技術的な特徴と安全な取扱方法を確認できるようにしています。化審法、労働安全衛生法、PRTR法、毒劇物法など化学物質関連法の改正によるSDSやラベル表示などの改定は随時実施しています。SDSはWebからもダウンロードできるようになっています。
また、製品を運送するトラックやタンクローリーの運転手には、運送中の万一の事故発生時に適切な対応がとれるよう、応急措置法や緊急時連絡先を記載したイエローカードを交付しています。

お客さまとのコミュニケーション
当社グループの新製品や技術情報は、適宜プレスリリースや記者会見などで発信する他、展示会などでお客さまとのコミュニケーションを通じ提供できるようにつとめています。
製品情報のページで、キーワード検索の他、はたらき、用途から製品を検索できるようにしています。
製品情報はこちら
また、「樹脂・機能化学品紹介サイト」では、各製品の特長や用途をはじめ、機能の説明や基礎知識など、当社のパフォーマンス・ケミカルス(機能化学品)について、より理解を深めていただくための情報を掲載しています。

三洋化成の樹脂・機能化学品紹介サイトは
こちら
GPS(グローバルプロダクト戦略)/JIPS (Japan Initiative of Product Stewardship)
ICCA(国際化学工業協会協議会)が推進する国際的な化学品管理の自主取組みであるGPS(日本では日本化学工業協会が主導するJIPS)に参画し、化学物質の安全性要約書を作成・公表しています。
これは、化学製品の安全性データと、サプライチェーンを考慮したリスク評価をとりまとめた要約書で、当社は以下の化学物質について安全性要約書を作成しています。
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物質名 | CAS No. | ファイル |
---|---|---|
メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル 2-(Dimethylamino)ethyl methacrylate |
2867-47-2 | |
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル Poly(oxyethylene)nonylphenyl ether エチレンオキシド付加モル数 3~10モル |
9016-45-9 | |
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル Poly(oxyethylene)nonylphenyl ether エチレンオキシド付加モル数 11~15モル |
9016-45-9 | |
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル Poly(oxyethylene)nonylphenyl ether エチレンオキシド付加モル数 16モル以上 |
9016-45-9 | |
ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル Poly(oxyethylene)alkylether (alkyl group:C12~C15) エチレンオキシド付加モル数 2~4モル |
9002-92-0 | |
ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル Poly(oxyethylene)alkylether (alkyl group:C12~C15) エチレンオキシド付加モル数 5~10モル |
9002-92-0 | |
ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル Poly(oxyethylene)alkylether (alkyl group:C12~C15) エチレンオキシド付加モル数 11~19モル |
9002-92-0 | |
ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル Poly(oxyethylene)alkylether (alkyl group:C12~C15) エチレンオキシド付加モル数 20モル以上 |
9002-92-0 |