方針

あらゆる事業活動において、安全・防災を最優先課題として取り組みます。無事故・無災害の操業を継続し、社会の安全に貢献するとともに、業務に従事するあらゆる者の安全と健康を守り、快適な労働環境の形成につとめます。

体制

三洋化成グループの各生産拠点の労働安全衛生と保安・防災については、各工場に環境保安部(課)を設置し、研究所、本社、支社、営業所を含め、社長直轄の全社安全推進部が指示・監督しています。
有事の際は発災地区で現地対策本部が設置されますが、大地震などの広域災害が発生した場合には本社にBC(Business Continuity:事業継続)対策本部を設置し、社長に指名された環境保安対策本部長の指揮のもと、全社レベルで支援・復興に当たります。

体制図

体制図

労働災害の状況

労働災害ゼロの達成に向け、リスクアセスメント、相互に注意しあう職場風土、再発防止策の徹底、より安全な職場環境の達成を主テーマに活動しています。
残念ながら、2022年度は、従業員の休業災害1件・不休災害7件の他、派遣社員・協力会社員の休業災害3件・不休災害5件が発生しました。
それぞれの発生案件については、なぜなぜ解析の手法を使って真の原因を究明し再発防止策を打つとともに、重要な対策については国内外全グループ工場に水平展開しました。

  • なぜなぜ解析:ある問題に対してなぜそれが起きたのか原因を見極め、さらにその原因に対して「なぜ?」を問うことを繰り返し、直接原因だけではなく背後にある根本原因を抽出する分析手法。
労働災害 度数率

※ 度数率=(休業災害被災者数)÷(のべ労働時間)×1,000,000
100万労働時間あたりの被災者の発生頻度を示す数値。

労働災害 強度率

※強度率=(労働損失日数)÷(のべ労働時間)×1,000
1,000労働時間あたりの災害の軽重を示す数値。

安全・技術教育センター

安全教育と生産技術の向上を目的として、2012年に名古屋工場内に安全・技術教育センターを開設しました(現在は全社安全推進部に施設と業務を移管しています)。当施設では、労働災害の恐ろしさを体感できる装置や現場の生産機器を再現した模擬パイロット設備を併設し、原理や理論を学習することができます。これまで従業員と協力会社員を対象に、のべ3,000名以上に教育を行いました。また、当社で過去に発生した事故災害事例を動画にして安全教育に活用しています。

リスクアセスメント

労働安全衛生法の改正に伴い、リスクアセスメントの対象となる化学物質が順次拡大されます。当社グループでも工場、研究所で取り扱う対象物質について、計画的にリスクアセスメントを実施し、必要なリスク軽減策をとっていきます。

モノづくり改革推進プロジェクト

5年後、10年後のありたい姿を想定し、「もっと安全に!もっと快適に!もっと強く!変える。」を目指し、自動化・機械化・3M排除(モノづくり改革)とデジタル化・働き方・教育見直し(働き方改革)の2つのチームからなるプロジェクトを2021年4月から推進してきました。
本プロジェクトは2年間の活動をレビューして2023年3月で一旦終了し、継続推進するテーマを選定したうえで工場ごとに進めることとしました。今後は、製造プロセスの抜本的改善による生産性・収益性改善を目指す全社プロジェクトとして「ものづくり大改革」を進めます。この推進組織として、2023年7月に「ものづくり革新センター」を名古屋工場内に設置しました。同センターには、研究員を常駐させ、現地現物による生産安定化、プロセス改善、自動化・省人化などを担います。

京都工場の「協力会社さんの声に耳を傾けた活動」が日本化学工業協会レスポンシブル・ケア優秀賞を受賞

工場での生産活動に欠かすことのできない協力会社員の方々が潜在的に感じているものの、「言い出しにくいよね」と思っている事柄に対して、これまでの提案要望に応える改善に加えて、当社から提案して改善を行う「協力会社さんへのおもてなし活動」を始めました。

工場内に従来からある休憩所に加え、協力会社員の作業場近くにも、すぐに利用できる休憩所を設置することでこまめに休憩や水分を取りやすくする、熱中症対策としてミストシャワーの設置、炎天下で長時間作業をする作業員に熱中症対策グッズを提供するなど、労働安全衛生の改善に取り組み、協力会社員のみなさまからも大変好評でした。

この活動は、協力会社員目線での取り組みであること、また協力会社員に広く意見を聞き休憩所の新設や数々の熱中症対策による作業環境改善の成果が出ていること、当社従業員と協力会社員間のコミュニケーションを深めることにも効果が出ていることが評価され、2023年5月、日本化学工業協会からレスポンシブル・ケア優秀賞をいただきました。

京都工場表彰状

保安防災活動

安全操業を図るため、また事業継続のために、ハード面、ソフト面で対策を講じるとともに、万一異常事態が発生した場合の措置・行動計画を定めて訓練しています。

異常措置訓練、緊急時対応

年間スケジュールに従って地震・火災・漏洩事故など万一の場合を想定した異常措置訓練や、近接する他社工場や地域の消防隊との合同訓練など地域と連携した訓練などを繰り返し実施しています。特に直近の防災訓練においては、より実践対応力を向上させるため、シナリオを使用しない訓練を実施しています。
過去の重大労災事故を風化させないため制定した「全社安全の日」(毎年10月に設定)には、国内外の各地区でCOVID-19感染対策を講じながら駆けつけ訓練、避難訓練、緊急連絡訓練、安全パトロール、安全訓話など安全に関するさまざまな行事を行いました。

鹿島工場

鹿島工場:協力会社員による安全訓話

サンノプコ(株)名古屋事業所

サンノプコ(株)名古屋事業所:事業所長、部署長による安全パトロール

サンヨーカセイ(タイランド)リミテッド

サンヨーカセイ(タイランド)リミテッド:安全パトロール

地震対策

1995年の阪神淡路大震災を契機に、建物や生産設備の耐震補強などを継続実施しています。また、2007年からBCP(事業継続計画)の策定に取り組んでおり、2011年の東日本大震災で鹿島工場が被災した経験を基にしたBCP訓練や、対応マニュアルなどの見直しも継続的に実施しています。

予知保全および事故防止対策

AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)を利用し、機器の状態を計測・監視して適切なタイミングで部品などを交換・修理する予知保全を開始しています。その結果、定期的にメンテナンスを行う方法に比べ、無駄な部品交換や予期せぬトラブルを抑制できると考えています。
また、熟練者がプラント外から映像を見て指示できるスマートグラスを導入しています。
その他、各工場の取り組みをWebコミュニケーションツールや安全大会での全社発表などで共有し、事故防止対策強化に役立てています。

環境・安全・防災に関する内部監査(RC監査)

工場・研究所を対象とし、レスポンシブル・ケア本部が各事業所を年1回訪問して環境・安全・防災に関する監査を行っています。2022年度は、事故対策の水平展開状況、各種法規制の遵守状況、漏洩防止対策の実施状況、リスクアセスメントの実施状況などについて監査しました。
また、国内工場で ISO14001認証を返上したため、これに代わる環境マネジメントの監査も併せて行っています。